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こぶし通信 56号 2023年1月発行
希望はどこにあるのだろうか
社会福祉法人こぶしの会 理事長 坂下伸一
笑顔満開、こッから旅行
昨年の11月11日に、こッから仲間旅行に同行しました。コロナ禍の中で、大勢でそろって行う行事は出来るだけ避けてきているのですが、今年は、2つに分かれ、別の日に実施、神戸フルーツフラワーパークに行きました。(この通信の7ページも参照)
私は、バスにJR奈良駅から乗りました。スッテプを上がっていくと、「おはよう」という声と共に、仲間たちのうれしそうな顔が並んでいます。「そうだ、こッからに出勤する時、いつも遅刻気味の仲間は、間に合って、乗っているだろか」と思って、見てみると、ちゃんと乗っています。周りの人たちの支えもあってのことですが、旅行には遅れることはありません。楽しみのひとつ、昼食の始まりです。ボリュームたっぷり、豪華な昼食です。私の右隣の仲間は、パクパクと食べ、あっという間にたいらげてしまいます。「おなかいっぱい」と一言。次は、乗り物がある遊園地へ。私と一緒に行動していた仲間は、ジェットコースターや大きく揺れる遊具には、怖がって乗らないだろうと思っていたのですが、平気で、次々に乗りに行きます。そう、お土産を買う時の真剣な顔は忘れられません。仲間たちの笑顔が、たくさん見られた日になりました。
明るく、希望のない今
さて、この巻頭のコラムを依頼された時、「理事長、新年に出る通信なので、明るく、希望がみえるようなものを書いて」と言われました。ちょっとしたプレッシャーとなりました。
今、世界を見わたせば、ロシアのウクライナへの侵攻が続いています。北朝鮮のミサイル実験も止むことはありません。そして、このような状況に対応するためと称し、日本政府は、軍備にお金をつぎ込もうとしています。平和が脅かされているように思えてなりません。
日本では、新型コロナ感染が3年近く続いており、第8波到来で、収束する気配は一向に見えません。当初と比べれば、行動規制は少なくなりましたが、基礎疾患を持つことの多い障害のある人や高齢者にとって、行動規制は変わることはありません。その上、物価高で、日常の生活はますますしんどくなっています。
社会保障、障害者福祉に目をむけても、介護保険の負担増が目指され、昨年の臨時国会で通過した「障害者総合支援法の改正」は、障害のある人や関係者の願いを十分に反映したものとはなっていないようです。社会保障事業に、出来るだけお金をかけないという方向が見え隠れします。