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こぶし通信 43号 2016年9月発行
最近思うことから
社会福祉法人こぶしの会 理事長 藤井正紀
のっけから私ごとで恐縮ですが、私は1941年(昭和16年)生まれで、今年9月に「後期高齢者」の仲間入りをしました。
今年の日本男性の平均寿命は、80.79歳と発表されていましたので、自分に当てはめると、あと5~6年程度の命になります。寿命ほどわからないものはなく病気や事故等で、どうなるかはわかりませんが、普通に考えるとあと数年間の命で、そろそろ人生の後始末をしなくてはなりません。
そんなことを思いつつ、自分の人生を振り返ったとき、20歳頃から障害者問題にかかわり、約55年が経ちました。
私自身は、教師→教師と作業所の運営→施設長→法人経営と障害者問題の第一線で働いてきましたが、振り返ってみると、それは、たまたまついた仕事のつながりや、その時々の人間関係のつながりの中で生まれたもので、単なる仕事上での積み重ねでもありました。
私が障害者問題に「特別な意欲を持っている」とか、特に「障害者の専門的知識や技能を持っていた」からでは決してありません。
ただ、50年ほど前は、この障害者問題にあまり首を突っ込む人は無く、やる気さえあればやれる時代でした。
しかしその当時から、私の尊敬する教授や先輩教師の一部には子の問題を意識的に取り組む優れた人がいました。そんな人たちとの一体感というか、勧めや後押しがあった事は事実でした。
特に教師時代には、障害児童が持っていた「純真さ」や「ある種の頼りなさ」と、障害児童の家族からの「期待や協力」が、また何か新しい分野の仕事が、私に「しっかりせよ」と、励ましてくれる大きな力になっていましたし、ある程度のやりがいを持っていたことも事実でした。
そして教師をしながら障害者の作業所運営に携わるようになったのも、多くの人から期待や一緒にやろうという人たちによる、「ある種の頼まれ仕事」でした。