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こぶし通信 38号 2014年06月発行
「いつもの毎日」や「当たり前の日々」を考える
社会福祉法人こぶしの会 理事長 藤井正紀
元気に「おはよう!」とか「理事長!」と声をかけてくれる人、少し手を挙げて「にこっと」挨拶してくれる人、恥ずかしそうにうつむく人、「誰?」とわれ関せずの人、等々、仲間の人たちとの相も変わらない「いつもの毎日」が、今も続いています。
こぶしの会も今年で13年目を迎え、新たなスタートが各事業所で始まりました。
今回はこの「いつもの毎日」や「当たり前の日々」について考えてみたいと思います。
この「いつもの毎日」は、何もなければ日常の一コマで、家庭でも職場でも特別の事は何もありません。
ところが災害・事故・病気など何かが起こってしまうと、この「いつもの毎日」は突然無くなってしまうのです。
最近の例でいえば、東日本大震災やJR福知山線の脱線事故や韓国のフェリー沈没事故を見ると、私たちの周りでも起こりうることとして考えておかなければなりません。自然災害などは仕方が無いとも言えますが、JR福知山線脱線事故や韓国フェリー沈没は自然災害ではなく人間が起こした事故です。
JRの場合、列車が1分とか2分遅れることを許さないJRの労務管理の問題が大きな要因でしょう。
韓国のフェリー沈没は、会社や船員などがお金を儲けるために荷物の過積載をし、安全誘導もしなかったなど許しがたい事故です。
事故で亡くなられた通勤客や修学旅行に参加していた高校生の笑顔や姿が一瞬で消えてしまい、その人たちの家族の幸せを奪ってしまったことは、他人事とか他国の事などとは言っておれません。
そう考えると、この「いつもの毎日」や「当たり前の日々」はとても大事なことで、これからもずっとずっと続いてほしい、生活の内容そのものなのです。
特に事業者である私たちや親御さんたちは、健康で無事に過ごすという「当たり前」の「しあわせ」を再確認しなければなりません。
平凡ですが平和で穏やかに過ごすという事を大切にしたいものです。
次に思うことは、この「いつもの毎日」や「当たり前の日々」をもっともっと意識してみては?と思うのです。「いつもの毎日」は意識しなくても当たり前にやってきますし、また明日も続いていきます。でも「いつもの毎日」を意識すると「いつもの毎日」はまた違ったものに見えるのです。 例えばこぶしの会で、職員がAさんと一緒に毎日20分間散歩をするとします。 職員やAさんが意識をしなければ単に20分間歩くだけです。
しかしこの散歩を意識すると何らかの変化に気づきます。Aさんの表情や態度の違いに気づくこともあるでしょう。
草むらの花の変化もあるでしょう。季節の変化や風の強さや陽ざしの違いもあるでしょう。
これらの違いに気づくか気づかないかは、この散歩を意識するかしないかで大きく変わります。