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こぶし通信 32号 2011年10月発行
こぶしの会10周年を迎えて(その2)
社会福祉法人こぶしの会 理事長 藤井正紀
今回は法人設立の際の大きな問題であった資金づくりにまつわる事を書いておきます。前回、「施設規模については資金計画の上からすんなりと決まりました」と書きましたがその意味と対応の問題を当時の親の皆さんの意見を中心に記しておきます。
当時の親たちは、「入所施設の建設」希望が圧倒的でした。かすがやのぞみの家への通所でそれなりの給料をもらっていましたので、毎日の暮らしは一定の目途がついていました。しかし親が死んだ後の子供たちの暮らしぶりには大きな不安を抱いていました。その不安に答えてくれるのは「こぶしの会」しか無かったのです。親たちがすんなり通所の授産施設に同意されたのには二つの理由がありました。
一つは資金面の理由です。こッからの計画には総額約6千万円以上の自己資金計画でしたが、同じ規模の入所施設になると3倍以上の2億円近くの自己資金が必要で、しかも場所も山間地区で、自宅から遠く離れることになる等、入所施設の建設は無理でした。しかし6千万円の資金計画でも大変なことで、両作業所、一般カンパと無利子の借入金、販売やその他で賄うことを決め、これを親やこぶしの会が一丸となって推進することになりました。また当時は、親は通所で100万~200万円、入所で500~600万円の寄付をするのが一般的でした。これをどうするかの問題も重要でした。親の中には100万円程度は仕方がないという方から生活が苦しく寄付なんて無理だという両極端の意見ありました。