こぶし通信 36号 2013年02月発行


 

2013年の新しい年を迎えてこぶしの会は?

社会福祉法人こぶしの会 理事長 藤井正紀

   昨年はこぶしの会創立10周年を迎えた節目のある 年でした。この10年間、こッから以外の多くの事業 を手がけ、それらを着実に運営し、社会福祉法人こ ぶしの会としても大きく発展させることができまし た。今後は、この事業や法人運営を障害者のために 活用、充実させ、さらなる信頼を得られるようにす ることが求められます。そこで現時点で、今後に (2014年頃まで)、検討を要する課題について述べて おきます。

  まず第一は、こぶしの会の事業の問題です。 来年度から「ここに」を中心に弁当の配食事業を開 始し、今後「こッから」の食堂を事業として経営す ることの是非を検討します。これは東市地域は老人 世帯が多く弁当や買い物の依頼などが増えることを 考えてのことです。またこッからの食堂を事業化に することにより、障害者の雇用や仕事を増やすこと を目的としています。その他こぶしの会の店を市内 中心部に持ちたいと考えています。

   第二は、仲間の工賃アップ、旅行やスポーツな どの行事の充実、仲間が企画、運営するなど仲間自 身の活動を促す自治活動などの問題です。「仲間が 主人公」の思想をこぶしの会の中に具体化し、「こ ッから」の各班、「ここに」「すたぁと」「ひまわ り」「ぐうぐうハウス」「かたつむり」の活動の中 に、世話役やリーダーを置き、障害も考慮しながら みんなで作り上げ、そのための資金作りなども検討 します。

  第三は、仲間の生活や暮らしのあり方の検討で す。現在、家族と一緒に暮らしている仲間、ケアホ ームで暮らしている仲間、日中一時など居宅支援を利 用しながら暮らしている仲間がいますが、今後、家族 の高齢化が進むにつれどのような生活をするのかが大 きな問題になります。この問題は、こぶしの会の問題 ですが、仲間や家族や兄弟の問題でもあります。今年 に入ってこぶしの会で購入を予定していた東市地区の グループホーム用の土地が地域住民の反対にあい購入 を断念しました。こぶしの会としては2例目の反対で した。今後こぶしの会としてもグループホームの建設 は難しいことになるでしょう。国としては障害者の入 所施設は建てない、現在ある入所施設は地域のグルー プホームへ移行するというのが国の方針ですが、地域 での反対で地域にグループホームができないというこ とになり、こぶしの会の仲間の将来について真剣に考 えなければなりません。

  こぶしの会として、この状態を切り開くため に検討しますが、家族の中でもよく話し合っておいて 下さい。特に、家族やお知り合いのなかに土地や家屋 を活用してグループホームを運営したい人の紹介など も必要です。また同時に、仲間の経済的基盤の問題も 考えておかなければなりません。障害者自立支援法の 施行の際、利用者負担問題がおこり、20歳以上の仲間 の家族の皆さんには「家族の扶養親族にせずになるべ く世帯分離をしよう」と呼びかけましたが、改めてこ の問題が大切です。また仲間の障害者年金、賃金など は仲間の所得として扱い、できるだけ仲間の金銭的管 理や運営を明確にし、後見人制度などを活用すること も必要です。こぶしの会としても、家族や兄弟の方々 との懇談会や学習会を行いたいと思っております。

 

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こぶし通信36
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