こぶし通信 34号 2012年09月発行


 

新たな10年先を見つめて次のチャレンジへ…

社会福祉法人こぶしの会 理事長 藤井正紀

   昨年度のこぶしの会10周年を終えて、新たな2012 年度がスタートしました。  というものの、こぶしの会としてはまだ次年度以 降の新しい方針や課題などを明確に決めているわけ ではありません。今年も含めて今後2〜3年の間に 新しい方針を決めようと思っています。その為にこ ぶしの会や各事業所では職員や仲間(時には家族も 含めて)、これまでにやってきたことを振りかえり、 その内容を吟味し実践課題を作り上げることが大切 であると思っています。

  仲間たちが自分を知る?ことは簡単なようです が大変難しいことです。もちろん障害のためきちん と認識ができない場合もありますし、逆に障害が比 較的軽い場合、いじめや無視などのマイナスイメー ジが強い場合があります。しかしまったく無理かと いえばそうでもなく、仲間の実態に応じてわかるこ とはできるのです。  例えば、生れた日や時間、どこの病院で、その時 の様子、自分の名前の由来、その時の両親や家族の 心配や喜びなどは、家族で共有しておくことが大切 です(きれば施設の職員も含めて)。  もう一方では、施設の中での仲間の変化や発達を 共有し、みんなのものにしていくことも必要でしょう (できれば家族にも)。例えば、他の仲間への配慮や 気遣い、我慢する力、ユーモアや冗談、新たな能力の 発見、パニックの状況、旅行や行事への企画力、バス や電車でのマナー等で、これらを、施設職員、家族が ともに共有することにより、今後の自律(自立)に向 けた課題が明らかになる事でしょう。

  これと関係することですが、仲間がこぶしの会(こ ッから、すたぁと、ここに、ふゅーちゃー、ひまわり、 ぐうぐうハウス、かたつむり)との関わり合いを持っ た時の様子や入所する際の家族の期待、または本人の 願いなども重要です。  こぶしの会はこれらの実践を積み重ね、仲間たちの 地域での生活、家庭での生活、施設や事業所での集団 的な生活をより有意義なものにしていきたいと思いま す。

  全障研運動の中で、障害を持つ青年期や大人の発達 の課題として次の4つが大切だといわれています。そ れは〈自分で自分がわかる力〉〈自分の行動に見通しが 持てる力〉〈持続的な意志力とそれを実行する力〉 〈「私」を支える集団の力〉です。幸いなことに、こぶ しの会の中には、仲間自治会、きょうされんの利用者 部会あかつき、家族会、こぶし後援会など組織があり、 これらの組織が議論し、協力しあい今後の実践を行っ ていきたいものです。

 

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