こぶし通信 21号 2008年11月発行


QOL(Quality of Life)的社会って

 

社会福祉法人こぶしの会 理事長 藤井正紀

 障害者関係者の中で、QOLという言葉はADLとともによく使われます。ALDとは顔を洗うことができるとか、一人で歩けるなど日常生活動作のことで、このADLを高めるよう様々なとりくみが行なわれています。また障害の程度の判断や認定などによく使われています。これに対してQOL{Quality(価値・質) of Life(生活)}はこの頭文字からの言葉で、「生活・人生の質」などといわれています。
障害者や高齢者を扱っている分野では、支援の目的を日常生活動作(ADL)の自立から生活・人生の質QOL)の向上に変わってきています。少し難しい言葉で言えば「障害を抱えつつも、生きていく価値のある社会を創りだす」ことを目標にしているのです。

 こぶしの会での給料を考えてみると、7年前の開所当時は全員一律年収4,2万円(月3千円)でした。現在では5段階になっており高い人は、年収36万円、低い人で11,1万円程度になっています。高い人で約10倍、低い人で約3倍程度になっています。

 こぶしの会では当面の給料の目標を年金と合わせて10万円(年収では120万円)にしていますので、高い人も低い人もあと少し(月額5千円から7千円程度)賃金アップすると目標の達成となります。こぶしの会の今後の給料をどうするのかはまた別の機会に考えるとして、QOLの立場で考えて見るとどうなるのでしょう。
仲間たちの「生活の質」や「満足感」が、給料と同じく3倍から10倍近く高まったことになるはずです。
こぶしの会の施設にきて良かったとか満足をしている人は多くなり私たちの自慢の一つです。ですが、給料は仲間たちの生活を良くし、幸せを得るための一つの手段として支払われているもので、これが増えることは仲間たちの幸せの量や質が増えるはずです。私たちや家族がよく考えなくてはならないのは「障害者の生活や人生の質」そのものです。こぶしの会が給料を何%アップしたとかの数字で自己満足するのではなく、
一人ひとりの仲間のQOLなのです。

 給料の例で考えれば、将来のことを考えて貯蓄する人もあるかも知れません。給料の日は自分の一番食べたいものを食べる人もあるでしょう。好きなCDを買う人もあるでしょう。家族にミスタードーナツを買って帰った人もいました。また家族の生活費の一部に活用される場合もあるでしょう。大切なことは、仲間たちが得てきた給料は、彼や彼女の満足や幸せのために使う(それが他人から見てつまらないもであったとしても)自由や権利を保障すべきだと、私は考えます。有名な学者上田敏氏の論によると、QOLは、<ADL><労働・仕事><経済生活><家庭生活><社会参加><趣味><文化活動><旅行・レジャー活動><スポーツ>等の九つの因子から成り立っているとされています。 こぶし通信21

 障害の程度や種類に関係なく障害者一人ひとりがこれらの要素を
どう活用し生活を満足させるかが問題なのでしょう。

私はこのQOLを考えていくために必要なこととして、
<お金の使用や管理><親からの自立や独立>
<障害者たち同士による活動>の3つを挙げていますが、
どうでしょうか・・・?


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