こぶし通信 20号 2008年9月発行


小学校での同窓会で感じたことから

 今年の8月16日に済美小学校の養護学級関係者の同窓会が母校の済美小学校で開かれました。約30人の生徒や保護者や教師が集まり、こッからも多数の卒業生が参加をし、久しぶりに出会った先生や友達のお母さんから、「しっかりしたなー」「男らしくなった」「美人になった」「かわらへんなー」などなどの声が飛びかう楽しい半日を過ごしました。ところで、私が済美小学校へ勤めたのは昭和41年から59年までの18年間で、当時1年生の人は48歳になっています。
この当時もまだ、養護学校はありませんでしたし、いわゆる特殊学級と呼ばれていた障害児学級は奈良市の小中合わせて4校でした。私が担任した済美小学校の養護学級低学年は3人の生徒がいましたが済美小学校区からは一人で、他の二人は大宮小と都跡小の校区からお母さんが子ども連れで通ってきていました。また与えられた教室は家庭科教室の物置に扉と入り口をつけ、古い黒板と机が3つ備えられた急ごしらえのものでした。4月当初送ってきたお父さんに悲しそうな顔で「ここですか」といわれたことが忘れられません。早速校長に「下駄箱を買って下さい」と頼んだところ、気の毒がった教頭先生が手づくりで小さなものを作ってくれたのを見て、複雑な思いでした。
それから48年後の今日、私が障害者施設の理事長をしていることを「ほめてくれる」人もいますが、逆に私は、様々な障害を持ちながらも学校に通わせ、そしていまだにわが子のために苦労なさているお母さんたちに頭が下がる思いをしています。
同窓会の席上、「先生、私こッからに通わせたかった」「うちの子やっと療育手帳とれました。今後のこと相談にのって」など頼まれごとをされながら、同時に私は、障害を持った人に携わっている人たち、特に保護者、施設職員が考えていかなければならない問題があり、これらをよく論議し家庭や施設で取り組んでいってほしいと思っています。
関係者は当然のことですが、自分と障害者との関係を大切にします。親や担当者は特にそうです。これは大切なことでこの関係が壊れては何にもなりません。同時に親離れ、子離れや一人立ちさせるための役割も持っています。この役割を関係者がもっともっと強く持たなければ障害者は自立できないのではと、思うのです。
この自立は、関係者と障害者の個人的な問題ですが、個人的にいくら頑張ってもそれだけでは実現しません。この実現には他人や社会の同意や援助が必要です。そのためにはどんなことがあるのでしょう。
まず移動ですが、買い物や通勤が一人でできるか、どんな援助がいるのかなどなど。
お金の管理では、好きなものを買える?無駄使いがわかる?その管理は?
趣味や余暇では、友達やヘルパーとどんなことを希望しているの?
一人暮らしや生活問題では、将来の本人の希望は?
恋愛、結婚や性問題では…
社会や政治への問題では…
自立支援法には…
きょうされんは…?


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