こぶし通信 18号 2008年2月発行


2006年4月「障害者自立支援法」が施行されました

 「障害者自立支援法」が施行され、もうすぐ2年が経過します。障害の重い(より多くの支援を必要とする)人ほど負担料が増える”応益負担制度”の導入と、成果主義的な制度設計、そして施設やグループホームの経営に大打撃を与えた報酬単価の大幅切り下げ等に対し全国各地で当事者・家族はもちろん障害者団体の枠を越えての大反対運動が起こったことは、すでにご承知の通りです。
 その後、法制度の一時的な見直しが行われましたが、抗議の声は止むことがなく、昨年7月の参議院選挙で大勝した民主党が、公約に沿って「障害者自立支援法応益負担廃止法案」を提出、自民党においては福田新内閣発足時の政権合意事項に「障害者自立支援法の抜本的見直しの検討」が盛り込まれるなど、反対運動のうねりは障害者問題を初めて国民的課題として政治の舞台へ押し上げました。そして昨年12月に自民党内のプロジェクトチームによる「抜本的見直しの緊急措置」に続き、今年2月に特別対策事業として、再度の利用料金の軽減や助成事業の追加が発表されました。私たちの声が確実に政治を動かしていることを実感しつつ、しかしそうした流れの一方で、依然”応益負担”の枠組みそのものは残されたままであり、ここからさらに、たくさんの人と手を携えて、広く大きく力強い運動をすすめていかなければなりません。

こッからは2007年10月に新事業体系に移行しました

そんな嵐のような情勢の中、こッからはというと、まさに制度への対応に振り回せれた2年間でした。応益負担と連動する形で導入された”補助金の日額払い制”の影響は大きく、特にグループホームは、報酬単価の大幅削減と相まって、一時は真剣に「閉鎖」を検討したほど。職員も厳しい労働条件の中さらに業務を兼務しながらの1年でした。そこで2年目は対策として少しでも減収幅を小さくするために、夏冬の長期休暇を減らし、逆に休日(土日祝)の開所日を増やしました。当然、仲間や職員の負担も大きくなりましたが、みんなの頑張りで何とか乗り切ることができたそうです。
 またこぶしの会の基本姿勢として、前述したような障害のある人たちの立場に立ちきっての運動と同時に、たとえ多くの矛盾や問題を抱えていても、現行法制度である限りは積極的に対応していくことも模索してきました。特に新事業所への移行は、仲間や家族との話し合いを繰り返しながら検討し、昨年10月に就労移行支援事業(定員6名)と生活介護事業(定員34名)として再スタートをきったところです。経営面でもようやく見通しが持てるようになり。今後も生活支援センター「ふゅーちゃー」と連携をとりながら、私たちがこれまで大切にしてきた障害の重い人たちの「働く」と地域の中での豊かな自立(律)した「暮らし」を支える実践を、新制度を柔軟に活用しながらさらに追求していきます。

2008年は守りから攻めの一年へ

 

昨年末、きょうされん30周年記念の全国大会が東京で開催され、こッからは総勢62名で参加しました。初めての遠距離旅行で新幹線に乗ったり、二日目はディズニーランドへ行ったりと思い出に残る旅行となったのですが、一緒に度をサポートしてくれた添乗員さんがこんな感想を寄せてくれました。「この2日間、仲間の方や職員、家族、ボランティアさんがいつも笑顔だったのが印象的です。みなさんの笑顔がとても素敵で一緒にいるとそれだけで楽しい気持ちになりました。」
 この2年間を振り返ってみると、様々なことがありました。大変なこともたくさんありましたが、みんなで頑張ってこれたのは、こそに仲間の笑顔があったから。そしてこれからもその笑顔が消えないように、頑張らなければと思います。「誰のため、何のための事業なのか」という視点を見失うことなく、こッかららしい活動を展開していきます。引き続きみなさまのご支援とご協力をよろしくお願いいたします。

大好評発売中!

 小学館のマンガ雑誌ビッグコミックにて掲載された、障害者自立支援法の問題を取り上げたマンガ「どんぐりの家〜それから〜」が2007年10月30日に単行本になりました。以前に大ヒットを記録した「どんぐりの家」の続編です。知っている方はもちろん、知らなかった方にもオススメの一冊です。
 只今、好評発売中で現時点で100冊以上売れています。マンガですので一般の方にも分かりやすく障害者分野での問題点が描かれています。
 ご愛読いただき、より多くの方に障害のある人々を取り巻く劣悪な状況を理解して頂くため、知り合いの方に広めていただければと思っています。
 ぜひ購入したい方という方は、ご連絡ください。また「お店においてもいいよ」とい方がいらっしゃいましたらぜひご連絡ください。
発行元 小学館 全1巻 1000円(送料別)

『ふれコム』がこッからに設置されました 設置事業所募集中

 昨年の8月、こッからに「社会貢献型自動販売機『ふれコム』が設置されました。
 『ふれコム』とは、「ふれあいコミュニケーション」の略称です。この自販機の上には電光掲示板を搭載してあり、文字情報を発信することができます。こッからの情報や宣伝をはじめNHKのニュースや災害情報などが流れています。全国1900カ所の共同作業所なでつくる「きょうされん」と大手飲料メーカー「アサヒ飲料株式会社」が提携し、他の自販機に比べ、還元率が高く設定されています。
 設置以来、道行く人、車やバイクを止めて勝ってくださる方、休憩時間に買いに行く仲間や職員と、1ヶ月で80本〜100本ほど売れており、売り上げはまずますです。
 『ふれコム』はきょうされんの賛助会員であれば誰でも設置ができます。(だたし、設置に関していくつか条件がありますので詳細についてはご確認ください)
 こッからでは『ふれコム』を設置していただける事業所や個人の方を募集しています。街中にきょうされんやこッからを応援してくれる自動販売機が増え、色んな情報を発信していく、そんな地域を想像するとワクワクしてきます。
 興味のある方はぜひこッからまで。

 

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