地域とともに歩む施設づくり… こッからCOLOR 社会福祉法人こぶしの会

こぶし通信 49号 2019年11月発行

2019/12/02 こぶし通信

理事長就任にあたって

社会福祉法人こぶしの会 理事長 坂下伸一

6月22日、こぶしの会の理事会において、藤井正紀前
理事長の後任として、理事長職に就任することになりました。前理事長に比べ力不足ですが、よろしくお願いします。
 さて、先ごろ「こッから活動班」で新しい仲間の歓迎会がありました。活動班のみんなで、近鉄奈良駅近くに、おいしいお昼ご飯を食べに行きました。私も行かせてもらったのですが、ゆったりとした中で、お昼ご飯をこッからでは食べることのできなかった新しい仲間も、みんなと一緒に食べることができました。街のお店屋さんだということもあったのでしょうが、みんなで楽しく食べ、喜び合うことができました。
 こぶしの会は、設立の理念に「障害のある人が主人公」ということを掲げています。活動班の新しい仲間の例をひくまでもなく、一人ひとりの仲間が、あせることなく、ゆっくりでも自分の力で、自立の道を歩んでいくことを大切にしているのが、私たちの法人のあり方だと思います。一方、社会保障費の削減という国の政策の中で、障害者福祉や社会福祉法人をめぐる状況は決して安心できるものではありません。「障害のある人が主人公」という理念の実現を目指すことと法人をめぐる状況との間に大きな矛盾がある中で、理事長を引き受けるには、相当の覚悟がいるだろうと考えましたが、元来「何とかなる主義」という気楽な人間なので、引き受けてしまったというのが本当のところです。ただ、引き受けるにあたって、「こぶしの会」10周年記念誌を、再度読み返してみました。理事長の仕事を進めるためには、これまでの法人の歴史を確認し、学ぶことが必要だと思ったからです。そこには、社会福祉法人になる以前、無認可の共同作業所として開所して以来、社会福祉法人こぶしの会として年月を積み重ねる中で、大きく2つのことが重要視されてきたといえます。
・障害のある仲間の人間としての権利を守る
 障害のある仲間が働くことを保障する活動を行うこと
はもちろんですが、「働くこと」を単に「お金を稼ぐ」ということだけに止めず「自分の値打ちを見出していく活動として」大切にしてきたこと、暮らしを支えるのは「余暇、医療、後見、地域での活動、公的機関のやりとり、将来設計など必要な支援は多岐にわたり」それを総合的に保障していくこと、自分たちのことは自分たちで考え合う「仲間自治会」の取組みなどの実践にあらわれています。法人運営そのものの中に、障害がある仲間たちの人間としての権利を守るという視点が貫かれてきたといえます。
・法人の運営を多くの人たちの共同事業として行う 
 法人の運営は、周りと関係なく独自にあるのではなく、仲間、家族、職員、地域、後援会などと相互に関係し、依存しあいながら成り立っています。地域との関係でいえば、「近隣地域の企業の理解に支えられて、実習や就労の機会に恵まれた」「地域の子供たちと一緒に遊ぶ、地域の店の買い物で声をかけられた」と日常的に交流が行われてきています。法人側としても「地域の清掃活動、クリコミの取組み」「地域に根ざす祭としてのこッから祭」等を行ってきています。「仲間自治会で、仲間の願いを要望にする」「献身的な家族会や後援会の取組み」等、法人運営に欠くことが出来なくなっています。また、全国・県・市の障害者団体との関係も法人運営の方向を見出す力となっています。「きょうされん」への職員派遣はもちろん、「障害者就業・生活支援センター」設立時に要請を受けて職員を一定期間派遣したりしてきました。官民を問わず障害者団体への役員派遣もおこなってきています。障害者福祉そのものが、本来「共同」ということを基礎にしており、こぶしの会は、そのことを重視してきたといえます。
 このようにこぶしの会の歩みを考えると、一層理事長という職の重さを感じてしまいますが、いつもの「何とかなる」で、仲間、家族、職員のみなさんと一緒に明るく・元気に取り組んでいこうと思います。

令和元年(2019年)11月

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