地域とともに歩む施設づくり… こッからCOLOR 社会福祉法人こぶしの会

こぶし通信 24号 2009年9月発行

2009/09/01 こぶし通信

小山氏の意見訴訟裁判から

社会福祉法人こぶしの会理事長 藤井正紀

 09年7月14日、午前11時、奈良地方裁判所大法廷の正面に3人の裁判官が座り、その真正面に原告の小山富士夫氏と池田直樹弁護団長が位置し、障害者自立支援法意見訴訟が始まりました。この裁判が始まる3時間前から、約70枚の傍聴券をもらうために多くの人が詰めかけました。こッからの仲間、職員、家族会の人たち、きょうされん奈良支部の他の施設の仲間たちや職員、大学の先生や学生さん、視覚障害者の人たち、民医連や奈良市教職員組合等の民主団体、その他一般のお母さん等でした。特徴的なことは、傍聴者の半数以上が障害者で占められていたことでした。そして右側に原告の弁護団、左側に被告の国、奈良市(障害福祉課長ら3人)その代理人等が位置しました。第1回の裁判ということで原告側からの陳述が中心でした。まず初めに竹下全国弁護団長が「障害者自らが、自分の生活や障害などのプライバシーを公にしてでも訴えかけなければならないのはなぜか?
実はこの障害者自立支援法は成立以前から問題のある法律で多くの障害者団体等の反対で一度は廃案にしたが、その後強引に成立させたもので、この裁判でこの法律の不当性をわかってもらいたい。裁判所はこの障害者の訴えに耳を傾けてもらい、障害者理解を深めてもらいたい」と、述べました。引き続き原告の小山氏が意見陳述を行い、奈良での障害者自立支援法違憲訴訟が始まりました。

今後時間を要して「障害者の生活問題」「障害者とは何か」「国や地方の政治はどうあるべき」などの主張が繰り広げられることになります。

私は、この裁判から我々が考えなければならない問題について論じたいと思います。

第1には、違憲訴訟の原告としての小山氏が、こッからやその他の多くの障害者の皆さんに与えた影響のことです。実は、4月から4ヶ月間に、小山氏が原告となり、奈良で裁判があることを聞いての相談や問い合わせが集中しました。しかも知的・身体・精神障害の全ての障害者からのアクセスでした。相談の内容は、「小山さんの勇気に励まされた」「小山さんが頼もしく見えた」「私にできることはあるのか?」「原告になりたいけれど親や家族に理解されない」などが主なものでした。その中で、小山氏をよく知っているという女性の身体障害者の人は、「お金にしたら慰謝料を含めても約20万円の返金であるが、障害者にとっては金額の大小ではなく、もっと障害者のことを考えてくれたという悲痛なものであり、できれば私も原告になってみたかった」と心情を述べられました。また、あるお母さんは「息子はテレビで自立支援法の報道を見ると、真剣に怒っている。自分も裁判に出られないかななどと云い、なだめるのに苦労している。」とのことでした。このような障害者の関心や怒りは、作業所への支援要請に行くと障害者の人からびんびんと返ってきています。そして裁判の傍聴希望の声が多くでて指導員等がどう対応しようかと苦慮している状態です。

この障害者の人権や権利援護の訴えを誰がどう聞くのかという問題を考えなくてはなりません。裁判では国に対してこの権利侵害を違憲として訴えていますが、一方身近な支援者である事業所やスタッフあるいは親や家族も考えていかなければならない問題が多いのではないかと思います。そういう意味ではこの裁判をとおして今日の障害者の権利問題を学習しなければなりません。皆さんの積極的な傍聴参加や勝利をめざす会への加入を訴えます。

もう一つの問題は、障害者にとっての裁判ということです。今回の裁判では、視覚障害者の3名が裁判の傍聴にこられました。「声は聞こえるが誰がしゃべっているのか判らない」の訴えを聞き申し入れをしました。また今後、聴覚障害の人や車いすの人の参加が予想されます。この人たちへの配慮をどうするかなどの問題を解決しなければなりません。特に奈良の場合、原告の小山氏が知的障害者であり、裁判で使われる用語や語句などを判りやすく伝える努力等も必要でしょう。この点を小山氏に聞くと「半分以上は判らない」と正直に言っていました。また傍聴者の中には小山氏より重度の障害者が参加しており、この人たちへ判りやすく解説するなどの援助も考えられます。しかし傍聴者は私語も含めて発言が禁止されてます。このような問題は、今、裁判員制度の中で少しずつ解決の方向に向かってはいますが問題はまだ山積みです。障害者の裁判を障害者の人にも理解できる裁判にしなければならないと思います。

最後の問題は、違憲訴訟裁判の意義についてです。この裁判は奈良だけで闘っているのではなく全国的な裁判闘争です。全国の弁護団は150人を超えているそうです。奈良の場合、小山氏1人原告に対して8人もの弁護団が参加し、月1回の会議や合宿を含めて対策を検討してくれています。略称「勝利をめざす奈良の会」の結成集会が9月26日に予定されており、この裁判を支え、支援していただく組織も出来上がります。特に近畿ブロックはすべての府県で裁判をたたかっており、近畿地区としても団結していこうと申しあわせています。

皆様にもこの違憲訴訟裁判と「勝利をめざす奈良の会」へのご理解とご支援をあらためてお願いいたします。

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